精密検査(再検査)の結果、乳がんと診断されるのは50人のうちたった1人


日本人女性の12人に1人(※)が発症し、女性のがんの中でもっとも多くの方がかかる乳がん。しかし、日本の乳がん検診の受診率は、わずか36.4%。アメリカの80.4%やフランスの75.4%、韓国の74.1%などと比べて半分以下です。(※)欧米などでは高い受診率によって早期にがんが発見されることも多くなり、乳がんによる死亡率も下がっていますが、日本では残念ながらその死亡率が増加傾向にあります。検診で自覚症状が出る前に乳がんが見つかったなら、それはとてもラッキーなことです。怖がらず、面倒くさがらずに40歳になったら積極的に検診を受診するようにしましょう。

※いずれも、国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」より

早期発見のために

マンモグラフィ検診

乳がん検診を受けたことのない方も、その名前くらいは聞いたことがあるでしょう。板と板の間に引き出した乳房を挟み、圧迫することで薄く伸ばしてX線撮影する、40代以降の乳がん検診には欠かせない検査方法です。
乳房を引き出すのは、できるだけ広い範囲を撮影するため。圧迫には、「撮影に使う放射線量を低くするため」「がん以外の正常な部分が邪魔をしないようにするため」「乳房を固定するため」という3つの理由があります。
多少の痛みを伴う検査のため検診を躊躇する方もいらっしゃいますが、多くの場合我慢できないほどの痛みではありませんし、我慢できなければ撮影を止めることもできます。発見が遅れてからの手術や抗がん剤による副作用の辛さに比べれば、2年に一度の検査の痛みなど小さなものです。
最近では女性の撮影技師さんが撮影してくれる施設も増えてきました。デリケートな撮影になりますし、気になる方は事前に施設に問い合わせてみてください。

セルフチェック

セルフチェック

乳がんは、自分で見つけられる数少ないがんです。また、マンモグラフィ検診は乳腺の発達した40歳未満の女性には適していませんが、セルフチェックには年齢は関係ありません。できれば20代から、毎月1度のペースでセルフチェックすることをおすすめします。

STEP①

①上半身裸で、鏡の前に立ちます。

STEP②

②腕を上げて、乳房にへこみやひきつれなどの変形がないか、左右のかたちに差がないか確認します。
(両手を下げた状態でも確認するとよりベターです)

STEP③

③乳房の外から中心に向かって渦を描くように手を動かして、指でしこりがないか確認します。胸の大きな方は、仰向けに寝て行った方がわかりやすいかもしれません。

STEP④

④最後に、左右の脇の下にしこりがないか確認して終了です。※閉経前の方は、月経終了後1週間くらいの間(排卵から月経終了までは乳房が張るため)に行うようにしてください。

もしセルフチェックで変化を感じた場合は、直ちに精密検査を受けてください。痛みのないしこり(のようなもの)も、がんでないとは言い切れません。自覚症状がなくても乳がんが見つかることもあります。40歳未満の方も、超音波(エコー)やMRI、PETといった検査方法によってがんを見つけることができます。
また、乳がんは触ってわかるサイズになるまで数年かかります。乳房の中にある限りはすぐに命に関わるようなことはなく、症状の進行も遅いがんなのです。早期に発見し、確実に治すためにも、セルフチェックだけではなく定期的な乳がん検診を欠かさず受けるようにしてください。

定期検診や精密検査の目的

もし、マンモグラフィ検診の結果が「要精密検査」だったり、セルフチェックでしこりをみつけてしまっても、まずは落ち着いてください。乳がんと決めつけたり、落ち込んだりするのはもう少し後にしましょう。たとえばマンモグラフィ検診の場合、精密検査が必要となった方のうち、実際に乳がんと診断される方は50人に1人。わずか2%の方だけです。「要精密検査」は、あくまで「がんの可能性がある」というだけであり、定期検診や精密検査の目的は、あくまで「乳がんではないこと」の確認なのです。

早期発見できれば9割以上が治せる

日本の乳がん患者さんの10年生存率は80.4%です。これは、さまざまな箇所に発生するがんの中でも、甲状腺、前立腺に次いで3番めの高さです。早期(大きさ2cm以下、転移なしの状態)で発見された場合に限れば、その生存率は90%を超えます。 検診では、ミリサイズのがんを発見することができますし、そうした初期の段階から治療をスタートできれば、抗がん剤や放射線によってがんを小さくすることで、乳房を温存できる可能性も高まります。抗がん剤等の副作用に悩まされることも少なくなるでしょう。 もちろん、症状が進行した状態でみつかったとしても、運悪く再発したとしても諦める必要はありません。その場合も含めた10年生存率80.4%です。 もし、検診後の精密検査で乳がんと診断されたとしても、それはラッキーだと思ってください。とくに、自覚症状がなく検診で初めて見つかる乳がんの場合、それは初期のがん、つまりまだ治せる可能性がとても高いがんである場合がほとんどです。

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じっくり選ぼう、乳がん治療法

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